エンタメの中の義眼
いつもアツザワ・プロテーゼ九州のブログをご覧いただきありがとうございます。
春の陽気が気持ち良い季節ですね!
さて、先日放送された主人公が義眼装用者という設定の春の新作ドラマ、
皆様はご覧になりましたでしょうか?
以前のポスターのビジュアルを見た時から、
個人的に、義眼装用者」という設定そのものではなくて、あの「眼」のデザインがどうしても受け入れられずまだ視聴していません。
ストーリー的にも義眼装用者をに対する悪意があってのことで無いのはよく分かります。
作品中のキャラクターの設定をビジュアルでわかりやすくするためでもあったのでしょう。
それでも、やはり、現実とは異なるネガティブなイメージを抱かせるようなデザインになっていることが何だか悲しくて。
ネット上では特に問題視されていらっしゃる方の声を聞かないので、私が過敏なのかもしれません。
この作品での義眼はあくまで「衣装」のようなもので、この作品の主題では無いですしね・・・。
数年前、アメリカで作成されたファンタジー映画で
手の指の本数が少ない悪役キャラクターが登場したことで、批判が起き、演じた女優さんが謝罪されたことがありました。
最近でも、白雪姫の実写版リメイクにおける7人の小人について一部では問題視する方もいるといったニュース記事を見ました。
こういったことは、演者さんが謝罪される筋のものでは決して無いと思っていますし、
エンタメに義眼という設定はけしからん!と言いたいわけでもありません!!
ただ、義眼はいつまで、「不気味」「怖い」「異様」「滑稽」といったイメージを
キャラクターに与えるための小道具として使われてしまうのかということです。
エンターテイメント業界の皆様、今の時代の流れ的にも、もうそろそろ、そういうのは良いのではないですか?
もっと、ニュートラルな扱いの時もあって良いのでは無いですか?
義眼がボール状で飛び出て跳ね回るみたいな表現は一刻でも早く無くなって欲しいと思います。
初めて義眼を装用する方の多くが、ご自身(またはご家族)が義眼を装用することになるまで、
このようなエンタメ作品を通じてしか義眼に触れる機会がなかった方達です。
義眼に対する事実とは異なる誤解や先入観から必要な治療をためらわれることもありうることです。
義眼装用後のお顔に対して、全ての方に100%ご納得いただけるとは残念ながらお約束できません・・
ですが、お一人お一人に合わせて可能な限り自然に見えるよう努めます。
少なくとも、自己表現の目的であえてそうして欲しいというリクエストがなければ、
こちらのドラマで登場するような状態で作製・調整終了にすることはありえません。
義眼は、装用される方が笑顔になっていただけるようにと、
1つ1つ心を込めて作るものです。
人と人を繋ぐお手伝いをするためのものなんです。
多くの方がドラマの影響で義眼について検索している今、
そこのところ、世間の皆様にもご理解いただければと願っています。